1話 犬とチェンソー(Chapter1:Dog & Chainsaw)
チェンソーマン英語備忘録第1話です。
※最新話までのネタバレを含む可能性があります
タイトルより
chainsaw チェーンソー、チェンソー
いきなりですが、タイトルになっているchainsaw man より。chainが鎖で、sawがのこぎり、chainsawの意味も日本語だと「鎖鋸」です。タイトルそのままにするとチェンソー男ですね。このへんは英語が苦手な人でもすぐにイメージしやすくて、タイトルとしてわかりやすくていいと思います。
脱線① チェンソーかチェーンソーか?
「チェーンソー」で覚えていたので「チェンソー」にすることでなにか意味があるのかな、と思っていたのですが、特になさそうです(どうも業界の人はチェンソー呼びなんだそうです)。
脱線② チェンソーの歴史
チェンソーの起源や歴史は、1830年に医師が骨の切断用に作成したものがありました。そこからガソリンエンジンで動くチェーンソーができたのは1918年。この時の重量は95kg。その後10年、20年で約60kg台まで重量を落とした2人用が開発され、日本では第二次大戦以降に本格的に使用され始めたそうです。
アニメチェンソーマンの主題歌として米津玄師が書き下ろした『KICK BACK』、英語のスラングとしては「リラックスする」という意味があるそうですが、チェンソー用語としては「跳ね返り(チェンソーの上部分だけが接触したときに起こる事故的な状態)」の意味があるそうです。
物語の始まり、デンジが語るシーン
kidney 腎臓
nut〈卑〉睾丸、きんたま
down to ~に減って
デンジの借金がいくら減った?みたいなシーンですが、全然減っていない
woof 犬の低いウーといううなり声.
ポチタの鳴き声。俗語として「吐く」の意味も。
犬の鳴き声で一番有名なのはbow wowだと思い調べてみたらruff ruff や yelp などいろいろなものがありました。
ちなみに犬の遠吠えアオ~ンはhowlでした。
net 〔ある額の〕純益をあげる[得る・もたらす]、利益を得させる
網や通信網などのものだけではなく、純利益など金融用語としても使われており、例文にもありますが、”That netted me $100. : それで100ドルもうかった。”などの使われ方もするそうです。
悪魔1体の退治で右目を売ったり、伐採5カ月分と同じ額稼げるのであれば、多少の危険を冒してでもやってしまうのがデンジ。
moola 〈米俗〉お金
moolah のほうが一般的のようですがここではhなしのmoola
英語圏ではこれ以外にも "buck", "green", "spot" などもお金を指すそうです。調べてみたところ、buckは開拓者の物々交換の基本単位だったbuckskin(=シカ革)から。greenはドル札が緑だから。spotは不明ですが貸し借りの意味で使われているそうですのでそこから?。
悪魔を倒したデンジとヤクザの会話シーン
corpse 死体
fetch 売れる
hefty 高額の
sumを調べたところ[金額]の意味があったので、hefty sumで高額の金額(=大金)となります。
(トマトの悪魔の)死体が高額で売れるぜってオヤジが言っているシーン。
デンジへの報酬は400,000(最初言っていた金額に10万加算)となり喜ぶデンジ。
debt 借金
interest 利息
利子と利息どちらの意味もありますが、このシーンではデンジが支払うものなので利息扱いです。
interestは中学英語だと興味関心の意味だったと思いますが、調べてみたところ実はもともとは利子としての使われ方で、興味の意味が出てきたのは近代だそうです。
「利益」⇒「利子」へ変化。利子や利益に人々は興味を見出す⇒「興味関心」も追加。といった流れだそうです。
https://www.aizawasec-univ.jp/article/012866fff81db1937fc7b14dd2ce62a1cfd458c1.html
「It's interesting ! 」はこれ楽しいというよりかはこれに興味がある、のほうが正しいとのことでした。
もろもろ引かれて400,000⇒70,000になるデンジ。この時点で330,000引かれている。
もらったお金を見つめるデンジのシーン
bill 請求書
water bill で水道代の意味でよいかと。
live on ~に依存して生活する
この場合は依存してというよりかは、この(少ない)お金に頼っての意味でよいと思います。
rest 残り
なんとなく意味は分かったけれど休みの意味が強かったので調べ。
ちなみに休みのrestとスペルが同じなのは偶然だそう。
デンジの手元に残る残金は1,800円。家に食べるものなし、残り1800円に頼って1カ月をも過ごさないといけない。この後すぐに1日に1枚のパンとポチタに言っていることから、何回かこの状況に陥っていることがわかりますね。
ヤクザ二人の会話シーン
worthless 役立たずの、ろくでなしの
fit to ふさわしい、向いている
worth their salt = worth one's salt 給料に値する働きをする
日本語版だと、「ちゃんとした」なので、この場合は正規の、などの意味もありそうです。
now would 今(?)
きちんと分かったわけではないのですが、now would be で今、この時などの意味が出ていました。日本語版には該当する単語はなかったのですが、"now would they"とあることから、「今時やつら(=正規のデビルハンター)は売ってくれない」ような意味だと思います(「今どき」は日本語版にはないので、英語版で説明もしくは補うために追加したものだと思われます)。
he always does as he's told 彼はいつも言われたことをやる
as he told で「言われたとおりに」。言われたことをやる=逆らわねえ
デンジとヤクザの会話シーン
Fido 犬(ファイド)
正確には犬につける名前の中でメジャーなものらしいです。単語としてよりはスラングに近いのかとも思います。日本でいうポチ、猫でいうならタマ。人間でいう太郎に当たるものだそうです(参照元を見るとそこまで代表的な名前ではないそうですが)。
cig たばこ(俗な言い方)
絵からもわかりますが、たばこ。言っているのはヤクザというかチンピラに当たる人間で、Fidoと同じく言葉遣いを若者として表現している感があります。
正しいのは"cigarette"。
down the hatch 飲みこむ
chreers や toast と同様に乾杯の意味でつかわれることもあるそうですが、「とくに嫌な匂いや、きつい匂いの何かを飲んだり食べたりする前にいうフレーズ」としてもつかわれるようで、今回は煙草を飲み込むので間違いなく後者でしょう。
ハッチとは潜水艦にある搭乗口のようなもので、「ハッチ(口)を大きく開けてきつい酒を注ぎこめ!(半端ない量の酒を飲め!)」といった意味から「きついものを飲み込む」「乾杯」の意味がついたそうです。
Down the hatch! 乾杯!New Year’s Eve
gulp [ゴクゴク・ゴクリと]飲み込む
たばこを飲み込んだ時に使われていた擬音。 飲み物だけではなく食べ物を食べるとき、また、話をうのみにする、感情を抑えるときにも使うそうです。
発音的には「ガルプ」でまるで犬。
slop 〔ブタなどの餌にする〕残飯
こぼれる、まき散らす、あふれ出る、(感情が)ほとばしる、などおおよそきれいな形でない状態で出る意味を指しているようです。pig slop なのでここではそのままブタのエサ。
bleh〈俗〉ベー
くだらない、どうでもいい、駄目、あまり良くないなど。「はぁ…」などの意味にも使われていることからネガティブなイメージが強いです。
近い意味でつかわれる「blah」はくだらない・意味のない・怠惰な話という意味が強いそうですが、blehはより不快な意味を指すそうです。ただどちらも口語的な表現で、bleh はとっさに出てしまうようなものだとか。
デンジとポチタの会話シーン
zsshhhh (雨の音として)ザァァァ
これは調べてもわかりませんでした。雨の音の擬音として、drizzling(しとしと)、sprinkling(ぱらぱら、ぽつぽつ)、pouring(ザーザー)、rumbling([雷の]ゴロゴロ)などのものがあるそうですが、これには当てはまらず。
shhhh が「静かに」を意味する「しーっ」に似ているのでそれにゼットをつけてザーを表現しているのか、みたいな日本語的発想もありますが、いずれにせよわかりませんでした。
apparently 〔聞いた情報によると〕どうも~らしい、どうやら~らしい
pipe dream 叶いそうもない夢、夢物語
パイプが空洞だから?
prolly 《口語》probably(おそらく)の別表記
スラングらしいけどここまで略されてしまうと初見ではわからない…
run-down shack 壊れかけのぼろ小屋
run down で「(機械などを)徐々に動かなくなり停止する・消耗させる、(会社を)消耗させる」。shackで小屋(俗的な言い方で、同棲するの意味もあるそうです)。
downでマイナスなイメージの単語なので、想像しやすくていいですね。
whine 〔犬が〕クンクン鳴く
すすり泣く、めそめそと愚痴を言う、弱音を吐く、名詞として哀れっぽい(泣き)声など。ポチタはあくまで犬なのでクーンと鳴く。
dreams do come true 夢が叶ったら(絶対にすることとして)
dreams come true の中に"do"が入っているのはどういうことかと思い調べましたがしっかりしたものは載っていませんでした。
Yahoo知恵袋によるとdoは強調の意味ではないかとの回答があり、ネイティブが質問に答えるサイトにて言っている人も「doが入るのは affirmation(=断言)だよ」と言っているのでこちらを採用して意訳を入れました。
デンジ幼少期の回想シーン
bastard ろくでなし
日本語版には入っていないですが、ヤクザがデンジの父親をののしる意味で使っているのだと思われます。
beg 物乞いする
「懇願する」、「請い願う」などのものから、丁寧な表現の「お願い申し上げます」、「どうぞよろしく」などの意味もあるそうです。
Måneskin の楽曲『Beggin’』 の歌詞にある「I'm beggin', beggin' you」は"I'm begging you"で「お願いですから」の意味になるため、「お願い、お願いですから」になります。
whore 体を売る
売春婦のように女性に向けて使用する単語のようですが、デンジが子供ということもあるのであっていると思います。
yourself out あなた自身で
前述のwhore とつなげて、「(おまえ自身の)体を売れ」。
wound 傷
外傷だけでなく、心の傷も含める。
デンジが夢を語るシーン
flirt いちゃつく
浮気する、ナンパする、口説くなどの意味もありますが、with a girl なのでいちゃつく。
stuff 〔女性と〕セックスする
stuff には多くの意味がありますが、この場面で指しているのはこれかなと、ただしflirt で日本語版の「いちゃつく」はすでに言えているので、こちらをなぜ追加したかは不明です(強調の意図?)。
ちなみにスラングではありますが、hot stuff で「流行っているもの」「セクシーな人」を指すこともあるそうです。
hot stuff といえば Donna Summerの『Hot Stuff』が有名ですが、こちらは和訳サイトによると「熱いもの」と訳されていました。歌詞の流れを見るからには、どうも行為自体やそれにまつわる熱情を指しているようです。eow.alc.co.jp
condition 《医》病気、疾患
heart condition で心臓の病気。デンジの母は心臓の病気があり、血を吐いてたとのこと。デンジは腎臓も売っているので、実際のところ体はボロボロだと思います。
ヤクザに呼ばれて悪魔を倒しに行くデンジのシーン
hid 隠れた
隠れる、隠れたを表すhideの過去分詞形
obedient 従順な、素直な、服従する
犬のように従ってくれる、は褒めてはいない
ゾンビの悪魔とデンジの会話シーン
total 全くの、完全な
合計を表す以外にこちらの意味もある。suckersに掛かっていると思うので、まったく最低な奴ら(日本語版ではマジでバカ)の意味だと思われる。
fleakin' 《俗》すごく
willing 快く[喜んで]やる
freakin' と合わせて、すごく喜んで。喜んで奴隷になるようなバカということ。
dump 投げ捨てる
デンジとポチタの回想シーン
take over 奪う、引継ぐ
(日本語版では)乗っ取る
復活のデンジとゾンビの悪魔のシーン
ribbons 細く裂けたもの
gross 〈話・侮蔑的〉〔人・発言・行為・物・味・状況などが〕非常に不快な、気持ち悪い、嫌な、ゾッとする、吐き気を催すような、いまいましい、ムカムカさせる、むかつく
ゾンビの悪魔のセリフは俗語的で汚い言葉が多いなと思います。
freak 〈話・軽蔑的〉変わり者、変人、奇人
(刻んでも死なない)変な奴を食べろ、ということかと思います。
freakは子供のころ読んだダレン・シャンを読んだときにフリーク・サーカスが出てきて調べた記憶があります。
plenty たくさんのもの「必要以上の量」の意
get in the way 邪魔
get in our way で俺たちの邪魔する
俺たちの邪魔すんなら・・・!でゾンビを皆殺しにしたデンジ、「おまえら全員殺せば借金がパーだ!」は個人的に好きなセリフです。
公安とデンジが会うシーン
beat to the punch 先手を打つ、先を越す
言葉の方向性がus(公安側) なので、先手を打たれた、先を越された
peculiar 奇妙な、特有の、特異な
possesion 所有(すること)
(悪魔的な身体的特徴もしくは可能性を)持っていないかと質問しているのだと思います。
悪魔[悪霊,感情(など)]が取りつくことという意味もあるらしく、単語として面白いです。
ようやく1話が終了です。
改めて見返すと1話時点での作画はゾンビの頭とか、藤本タツキっぽさがありますが、マキマさんなどはまだ書き込みが少ないと思えるような書き方でした。
主人公であるデンジにフィーチャーしたためかもしれませんが、改めて読み込むと、かつて読んだ時とは別の見方ができて楽しいです。