チェンソーマン英語備忘録第3話です。
注:最新話までのネタバレを含む可能性があります
デンジにデビルハンターの施設を案内するマキマのシーン
HQ. 本部
headquartersの略。複数系っぽいと思いましだが、”headquarter”だけだと、本部を置く。などの動詞だそうです。
その位置を表現する場合は複数が、またその指揮権を表す場合は単数が好まれるとのこと。
civilian 一般人
歴史の授業で習った、軍人でなく文民が軍事を統率するシビリアン・コントロールもこれが元のはずejje.weblio.jp
paid day off 有給休暇
ほかにも paid vacation , paid leave , paid holiday などが有給休暇にあたるそうです(paid vacation は複数日の時などに使われるとのこと)。
benefit package 福利厚生
ここ、デンジはほとんど話を聞いていないですが、東京には民間含めて千人以上デビルハンターがいる(=悪魔被害が多い場所、悪魔が多く存在する場所)という、世界観の説明のシーンになってますね。
プラス、ここは東京であるという(=デンジがいた場所が東京ではない=ここは日本である=異世界ではなく、現実世界である)大きな説明も。
恐怖が悪魔の力を強くする以上、人の多い場所のところに悪魔は出やすくなるのであれば東京に集まるのは当然かとは思いますが、にしても多いなと。
逆にデンジが闇営業してデビルハンターできていたところは結構田舎だとも想像できます。
typically 決まって
so bad (スラング)〜したくて仕方ない
colleague 同僚
co には「一緒に」という意味があり、colleagueは「職場や所属に関係なく、一緒に仕事をしている人といったイメージ」だそうです。
早川アキを紹介されるシーン
senior 上長(先輩)
tag along ついて行く、付き従う
この時のアキを見るデンジの顔がすごい。
league 部類・仲間
out of someone's league で「〔ずばぬけて優秀な人などが〕(人)とは格[レベル]が違う」「高値の花」を意味するんだそうです。exとおんなじイメージ。
chin up 元気を出す
このシーンのデンジが首ねっこをつかまれているのと、チンと読む単語が入っているのもあってデンジが犬扱いされているよう。
airship 飛行船
街の風景が描写されるところに映っていたので。
脱線①:飛行船の時代
飛行船、そういえば魔女宅以外で見たことがないなと思って調べてみたところ、高層ビルの増加による必要性の現象や免許の取得機会の減少、1937年に起きた事故などから、1996年にJALが運航停止しているそうです。その後発足した民間会社も売り上げが伸びず10年ほどで撤退していました。
チェンソーマンが1990年代設定だというのは、バランス窯の風呂が出てくるまでは気づかなかったのですが、こういう細かいところでも説明していたのがわかります。
脱線②:1937年に起きたヒンデンブルク号爆発事件
高価なヘリウムの代わりに使用されていた燃えやすい水素燃料と、紫外線からの保護用に使用されていた塗料(これも燃えやすい)に、着陸時に下したロープから静電気が伝わりわずか37秒で炎上し飛行船が爆発した事故。
この後、1957年にアメリカ ボーイング社が開発したボーイング707が初飛行し、旅客機の時代がやってきます。
デンジとアキの会話シーン
get throuth to 言いたいことが通じる
単語のつながりで言いたいことはわかったんですが、きちんと調べておきたかったのでメモです。
shallow 〔人の言動・考えが〕浅はかな、浅薄な
物理的な意味や、議論が浅いという意味でも使うそうです。
among 〔~の間で〕共有して、共通した
peer 〔会社などで地位・役割が同程度の〕同僚
IT系の用語でP2P通信がありますが、あれは「Peer to Peer」の略称のことで、サーバーを介さずに端末(PC、スマホなど)同士で直接データのやり取りを行う通信方式のことを指すのだそうです。それ専用のLANケーブル(クロスケーブル)があるって教えてもらったことがあります。
conviction 信念
アキ「仲間の中で、金だけを目的にデビルハンターになったヤツらは全員悪魔に殺された。(まだ)生きているのはみんな強い信念を持っている。」
後々登場する岸辺先生の説明だと、真面目なやつほど死んでいく、とのことでしたのでこれがあっているかはわかりません。
lemme = let meがなまった・短くした形
"let me" の後ろに動詞が続くと「私に(動詞)させて」という意味になるそうで。
guess が「推測する」なのでlet me guess で「当ててみましょうか」。
ほかに、「私に当てさせて」「私が予想してみる」「私が思うには~」など。
https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/lemme
got one's eye on 目当て
・〔動物が〕獲物に目[視線]を向ける[移す]、獲物を見詰める
・〔人が〕自分の目的[目当ての物・目指すもの]に目を向け
よくよく読み返してみると、実際にはマキマさんに保護される→殺処分を盾にした強制労働なのでマキマさん目的でデビルハンターになったわけではないんですよね。このあと言いますけど、普通の暮らしがしたかっただけで。
(この時点では、とマキマさんに惚れているから逃げないのでマキマさん目当てになりますが)
ding ding 正解
最初ding dong のほうでは?と思ったのですが、そちらは、観測した範囲では、インターホンのほうで使われていました。
いずれにせよどちらもベルとしての使われ方をしており、ding dongなどはそこから派生して「激しい喧嘩」の意味でも使われているそうです。
do … a favor …に親切にする
日本語版の「マキマさんには俺から言っといてやるよ」の「やるよ」のところ。
dong ゴーン◆鐘が低く鳴り響く音
ding dong とともにベルや鐘が鳴る音。
「〈豪NZ話〉強烈な一撃」ともあったのでもしかしたらこちらの意味も兼ねている…?
crotch 〔人間の〕股
デンジ君のおかげでシモの単語の語彙が増えていく。
udon うどん
そのまんま。日本食としてのうどん。以下、英語のうどん、英語圏のうどんが気になったので調べたメモです。
辞書としては、"thick noodles (= long strips made from flour or rice) used in Japanese cooking:" 「日本食に使われている、厚みのある麺(= (麺は)長く細切れにされていて小麦粉またはコメからできている)」と定義されていました。
https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/udon
脱線①うどんの説明で出てきたflourを少し調べてみる
ちなみに、flour は主に小麦粉を指しますが、厳密には他の穀物から作られる粉も含まれるそうです。ただ、メインとしてはやはり小麦粉のイメージが強いのか、例えば米粉となると「rice flour」、そば粉は「buckwheat flour」きな粉は「soybean flour」と原材料が先頭にくっついていました。また、調べたところ、粉のつかない「小麦」はwheatと呼ぶそうです。
脱線②flour と powder
粉っていうけど、粉は powder もあるなと思ったので違いを調べてみました。
powder : "a loose, dry substance that consists of extremely small pieces, usually made by breaking something up and crushing it" = 「さらさらしている、非常に小さい破片からなる乾燥した物質。通常、なにかを砕いたり潰したりして作る」もの。
正直これだけだとわからなかったのですが(powderがflourを包含しているけどflourの分野にもココアパウダーとかあるし・・・と思い)、
・どちらも細かい粒でできた物質
・どちらも料理に使える
上記の共通点を持ちつつ、
flourは「日常的な、特に料理やベーキングの文脈で、powderよりも一般的に使用されているもの、穀物、ナッツ、種子、または根を粉砕することによって作られた粉末を指す」
powderは「より具体的な、異なる機能と供給源を持つ広範囲の物質を指すことができる(例えば火薬:gunpowder など)」
上記の内容で私は理解しました。
https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/powder
脱線③片栗粉は英語で?
日本の食卓でとろみをつけるのに使われる片栗粉は、potato starchといわれflourはつかないみたいです。
flour をつけるときつけないときの判断はちょっとわからなかったですが、片栗粉がじゃがいものでんぷんを指している("starch” はでんぷんの意で、おなじくstarchを使い、洋菓子によく使われるコーンスターチはトウモロコシのでんぷんを指す)からかもしれません。
脱線③の脱線 片栗粉の『片栗』とは?
片栗粉の「片栗」が気になって調べたところ、原料をユリ科の片栗の花の球根から以前とっていたから、とのことでした。
ただし、以下の理由から現在では片栗の花からじゃがいもにメインの原材料が変わっています。
・採取による片栗の激減(調べたら7年もかけて咲く花だそうで、そりゃ人間に食用で取られたら激減するよなと思いました)
・1つの球根から取れる量が少量
・明治になって大量生産されるようになった馬鈴薯(じゃがいも/potato)で同じ性質のものが取れる
なお、片栗は英語で "dogtooth violet" と呼ぶので、片栗粉はdogtooth violet starch でも通るみたいです(もし旧来の片栗粉と呼び方を分けているとしたらこれを使っているかも)。
脱線④:海外に進出するうどん文化
海外の人ってどのくらいうどん知ってるのかな(伝わるのかな)と思い調べました。
日本では丸亀うどんとはなまるうどんがうどんのチェーン店として有名ですが、2011年に丸亀がハワイに出店してから丸亀うどんは現在世界に244店舗(※2023年9月現在)出店しているそうです(内:アメリカ(ハワイ:2、本土:10)、イギリス(ロンドン:10))。
イギリス以外のヨーロッパにないことやアメリカ東海岸側にないことから海外人気はそこまであるのか不明ですが、丸亀などは現地の人々のニーズに合わせた形で残っているそうです。
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話を元にもどします
willing to ~しても構わない
文脈によって意味合いが変わるそうですが、この場合は「死んでもいいぜ」なので(気が進まないけど)しても構わないにしました。
take back 撤回する
ポチタのことを思い出して命を撤回するデンジ。ほんとに好きだったのとが伝わります。これも実はよくある、死んだあいつの分まで、になるかもですね。犬の思いを継ぐのは見たことないですが。
thug 〔暴力的な〕悪党
日本語版ではチンピラ
give 〈俗〉起こる
与える、の意味で覚えていたので "what gives" として出てきて意味が分からなくなって調べました。
what gives で 何が起きているのですか?/何があったんだ?/どうしたんだ?/どうなってるの?/どういうつもり? を意味するそうです。
balls 〈卑俗〉睾丸
意味は分かっていましたけど。
crap くそ
主にアメリカでつかわれる。"shit" ほど失礼な単語ではないらしいです。
マキマさんに報告するデンジとアキのシーン
testicle 睾丸
金玉
make up 作り上げる
でまかせです。って言っていても世界観にはあっていたかも。
get along 仲よくやっていく
not a chance あり得ない、無理
”見込み・可能性’という意味の chance。Not a なので、そういう見込みは1つもない → まず無理でしょう、ないでしょう、というニュアンスになります。
scum 〈軽蔑的〉人間のくず
hit it off 仲良く[うまく]やる
マキマさんの強制力を感じさせるセリフ(半分ギャグになっているから気づきにくい)
squad (同じ仕事に従事する)隊,団,チーム
as it is 現状で(も)
weirdos 俗〉変な人、変人、奇人、危険人物、危ないやつ
「「weird(変な)」と「do(行動)」を合わせた英語のスラング」だそうです。
experimental 実験的な
elsewhere 他の場所に、他のどこかで
badass 〈卑俗〉すごい、素晴らしい、格好いい
ヒップホップの歌詞で見たような気がします。
flimsy 〈口実・理由など〉薄弱な; 浅薄な.
うすっぺらい噂(rumor)=噂半分なので、
ほとんどデマか都市伝説だと思っているくらいに信じていないアキ
ever いつか
かつて、これまでに の意味で覚えていたので、未来の意味も含んでいるとは認識していませんでした。
ただ、いわれてみれば、Taylor Swift の 『We Are Never Ever Getting Back Together』 の日本語タイトルは「私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない」ですね。
disobeys 従わない、違反する
put down 〔動物を〕安楽死させる、殺処分する
置く、おろすの意味以外に何でこんな意味があるんじゃと思いました。
デンジにクギを刺す意味もあったのかなと思いますが。
このシーン、アキがデンジを見る時にコイツこんなやばい契約させられてんのか、、、っていう顔ともとれて、既に同情の意味での優しいアキが出てきているように見えますね。
till death do us part 死ぬまで一緒
結婚式の誓い文句「死が二人を分かつまで」もこれだそうです。こんな一方的で、上下関係が完全に決まっているのはいやだけれど。
少し違いますが、do one's part であれば、「自分の役割[役目・務め・任務・責任]を果たす」の意味。
アキがデンジを自分の家へ連れていくシーン
keep an eye on ~を監視[警戒・マーク]する、~を見張る
見守るの優しい意味もありますがこの時点では完全に監視の意味合い。
grateful 感謝する、ありがたく思う
ちなみにこれを検索するときにミススペルしました。
let 許す、させる
owe 恩人、〔~の〕おかげである、恩恵を被っている、恩を受けている、恩がある
〔返すべき義務を〕負っている、〔~を〕支払う義務がある など金銭的な話にも使用できるそうです。
語源を調べてみたところ 古英語のagan「持つ、所有する」、古ノルド語のeiga、古高ドイツ語のeigan、ゴシック語のaigan「所有する、持つ」も源泉)に由来するそうです。
”I owe her my life” で「彼女は俺の命の恩人だ」ですが、恩人=支配している人という意味にもなるんですねこれは。
ネタバレにはなりますが、結局ここの恩の話はこの後出てきませんでしたし。
この後のhug のところ、日本語版だと「抱きてぇ」だけどhugになると、文脈的に性的な意味を持ちそうではあるものの、マイルドな感じになってずるいなと思いました。
第3話が終りました。
途中かなりうどんの話に脱線してしまいましたが、調べている分には楽しかったです。個人的にはowe の単語が英語としてもストーリーとしても興味深かったです。